イギリスの「窓税」とは?ミラーバックサイドボードとの関係
イギリスアンティーク家具 ミラーバックサイドボードのなぜ?どうして? 先日、社内の勉強会で新人スタッフよりこんな質問がありました。「どうしてこの家具には鏡が付い・・・
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イギリスアンティーク家具 ミラーバックサイドボードのなぜ?どうして?
先日、社内の勉強会で新人スタッフよりこんな質問がありました。
「どうしてこの家具には鏡が付いているのですか・・・?」
この家具とは、上記画像のミラーバックサイドボードです。
こちらのミラーバックサイドボードのサイズは、幅1230cm 奥行480cm 全体の高さは1205cm、サイドボードの天板までは950cmです。
もしこのミラーを身だしなみのために使うなら、身長158cmの私の場合、少し体を曲げて低めた状態でミラーを見ることになります。
日本人の平均身長は、男性171cm・女性158cm に対してイギリス人の平均身長は、男性177cm・女性164cm。
日本人より約6cmもの身長差があるイギリス人にとっては、さらに腰を低めなければなりません。
また、お化粧をするドレッサーとして使用するとしても、ミラーの高さが低いのであまり実用的でないのでは?
という疑問が出てきました。
では、一体どうしてミラーがついているのでしょうか?イギリスの家の構造
「どうしてこの家具には鏡が付いているのですか・・・?」
その答えとして、このミラーバックサイドボードはイギリスならではの「家の構造」が関係していることにあります。
イギリスの家の中は昼間でも暗いという印象があります。
それは家の窓が小さく、窓の数も少ないからです。
そのために、外からの光を取り入れ、ミラーをうまく使うことで部屋の中を明るくしているということです。
では、なぜイギリスの家は窓が小さく少ないのでしょうか?
イギリスはレンガで作られた家が多くありますが、レンガ造りの家は窓を大きくしてしまうと建物の構造が脆弱になってしまうからです。
ミラーバックサイドボードに付けられたミラーは、窓が少ない家でも部屋を明るくするための工夫であり、重要な役割を果たしていたのです。イギリスの窓税とは
勉強会後、さらに調べてみると、もう一つ部屋の中が暗くなる理由がありました。
それは「窓税」です。
上記画像の建物をご覧ください。
窓のフレームはあるのにレンガになっている窓があります。
これは、窓税があった時期に建てられたものです。
イングランドとウェールズ地方では1696年に、スコットランドでは1748年に窓税が課されるようになりました。
地域にもよりますが、窓が10箇所以上あると税金が重くなる等の規定がありました。
つまり、窓が多ければ多いほどたくさん税金を払わなければならない時代があったのです。
そして節税のために、窓を故意に少なくした家が多かったということです。
1851年に窓税は無くなりましたが、今でも税制の名残として窓が少ない家が多くあります。
イギリスに旅行に行った際は窓がない建物を探してみてくださいね。ケントストアオンラインショップでは、今回ご紹介したミラーバックサイドボードの他にも、多種多様なアンティーク家具をご用意しております。
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