【徹底解説】スピニングチェアとは
垂直に伸びた背もたれに、丸い角の五角形の座面。植物をモチーフに施された彫刻。これは一体どういうチェアなのでしょうか? こちらは、「スピニングチェア」と呼ばれるチ・・・
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垂直に伸びた背もたれに、丸い角の五角形の座面。植物をモチーフに施された彫刻。
これは一体どういうチェアなのでしょうか?こちらは、「スピニングチェア」と呼ばれるチェアです。
スピニング(spinning)=紡績。
つまり、糸を紡ぐときに使用していた椅子です。今回は、スピニングチェアについてのお話です。
スピニングチェアの起源
スピニングチェア。またの名をスピナーズチェア。
起源は中世のイタリアです。
教会の建築様式だったゴシック様式が”家具”にも取り入れられるようになると、細い背もたれに豪華な装飾、特に家紋の装飾などが盛り込まれた椅子が誕生しました。
これがスピニングチェアの原型である、といわれています。糸紡ぎ(=スピンspin)で作業をするのは、ほぼ女性だったことから、スピニングチェアの座高は低く、そして作業がしやすいように肘が背もたれにぶつからないように、背もたれは細くデザインされています。
スピニングチェアは、時代の変遷に伴い、生活必需品から嗜好品へ、より装飾的な『飾り椅子』へと変わっていきました。
糸つむぎの歴史
そもそも”糸つむぎ”とは、いつ頃から生まれたのでしょう?
それは遥か遥か昔。
絹は中国、木綿はインド、リネン(亜麻)はエジプトといったように、世界各地で、その風土に合う繊維が誕生し、織物として利用されるようになります。
それに伴い、おもりの回転力を利用して糸をつむ道具が発明されるようになりました。
紀元前5,000年以前には使用されていたといわれています。
人類が発明した最も古いの技術のひとつです。糸をつむぐ道具は「糸車」へと進化します。
「糸車」の発祥はインドで生まれた説、中東で誕生した説と諸説ありますが、13世紀には中東からヨーロッパへと広まったとされています。中世のヨーロッパは、完全なる男性社会だったため、女性の職業参入は認められていませんでしたが、布の製作に関わる仕事は、女性が行っていました。
また、自給自足のための糸つむぎは女性の仕事であったため、農村では畑仕事がない深夜に、農作業のない冬の時期に、行われていたそうです。羊毛から綿へ~イギリス産業革命
イギリスは羊を飼いやすい土壌であるため、古くから羊毛の製造が盛んに行われていました。
さらに、16世紀に行われた、地主による牧場化のための農地の『囲い込み(エンクロージャー)』により、イギリスの毛織物産業は発展しました。転機が起こったのは、18世紀。
東インド会社を通じてインドから「木綿」を輸入したところ、”着心地がよい”、”軽い”、”柄が綺麗”、などの理由でその人気は拡大します。
その人気をうけ、高品質で安い綿製品を大量につくるための機械が発達します。「ジェニー紡績機」「ウォーターフレーム(水力)紡績機」「ミュール紡績機」などの紡績機の発明により、それまで手作業で行っていた「糸つむぎ」は、機械化へと移行されました。
紡績機の発明は、綿工業をきっかけとした『産業革命』へと導き、社会そのものを変えていくことになりました。
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【徹底解説】ヴィクトリアン様式 家具の特徴
産業革命を経た19世紀半ばのイギリスは「世界の工場」と呼ばれるほどの工業発展を遂げていました。
その発展を象徴する国王が『ヴィクトリア女王』です。ヴィクトリア女王の統治下(1837年~1901年)の建築物と家具のデザインを『ヴィクトリア(ヴィクトリアン)様式』といいます。
1837年、ヴィクトリアが18歳でハノーヴァー朝第6代女王に即位し、その後63年間大英帝国の女王としてイギリスを世界の強国に成長させました。
ヴィクトリア様式は過去の様式を復古させた折衷様式エクレクティックの時代です。【ヴィクトリア様式 家具の特徴】のついての詳しい内容は、こちらのブログ記事をご覧ください。
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