【徹底解説】コールボックスとは
上の画像をご覧くださいませ。英国ヴィクトリア朝の雰囲気が漂う空間。その中に石炭を入れるためのキャビネットがあります。皆さん、どれか分かりますか?正解は中央の小さ・・・
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上の画像をご覧くださいませ。
英国ヴィクトリア朝の雰囲気が漂う空間。
その中に石炭を入れるためのキャビネットがあります。
皆さん、どれか分かりますか?
正解は中央の小さいなキャビネットです。
なんて贅沢でおしゃれな”石炭入れ”でしょう。
空間に完全に溶け込んでいるので、全く違和感がありませんね。今回は、コールボックスについてのお話です。
木炭から石炭へ、そして産業革命へ
16~17世紀、イギリスでは鉄工業が盛んになったため、鉄を作るための木炭が大量に必要となりました。
その結果、森林伐採が進み、イギリスの森林破壊は急速に進んでいきました。
ただでさえ山が少ないイギリスは、エネルギー危機に陥ります。木炭の替わりとなったのが”石炭”でした。
17世紀後半には、全世界の石炭生産量のほぼ85%をイギリスが占めていたと言われています。やがて、石炭を燃やした熱で水を沸騰させ、発生した蒸気の力を利用した蒸気によるエネルギーは、イギリスを産業革命へと導きました。
イギリスの石炭業は、1900年代後半まで、イギリスの産業を支え続けました。石炭の利用は工業だけでなく、暖炉など家庭用の燃料としても使用されるようになったのです。
コールボックスの誕生
ヴィクトリア女王の統治下にあった時代、上流階級で見られるようになったのが、キャビネットタイプのコールボックスです。
当時、暖炉は高級品であり、客間で使用されることが多くありました。
お客様をおもてなしする場所であるがゆえに、周りを豪華に装飾する暖炉が作られるようになります。
それに合わせて、暖炉の近くに置く石炭を入れる箱も、見栄えがよく装飾性のあるキャビネットタイプの石炭入れ(コールボックス・コークスボックス)が作られるようになったのです。石炭を収納する場所には、直接石炭をいれていたのではなく、上の画像のように引き出す部分に金属製の箱が付属されていました。
※汚れ、錆があるため、金属製の箱は取り外し、綺麗に修復しております。こちらは豪華なコールバケツ(コールボックス)です。
コールキャビネットから暖炉に石炭を入れる時に使用していたのでしょうか。
装飾性に優れたコールバケツです。こちらは、いたってシンプルなコールバケツ(コールボックス)です。
屋外に保管していた石炭を、屋外から運ぶ際に使用していたそうです。
使用人がいる上流階級では、使用人の大事な仕事でした。
毎日運び、部屋を暖めていたそうです。史上最悪規模の大気汚染 ロンドンスモッグ
産業革命の発展とともに急速に増加した石炭の利用は、大気汚染を引き起こし、健康被害まで広がりました。
1952年のロンドンスモッグは、死者1万人以上といわれ、史上最悪規模の大気汚染による公害事件と呼ばれています。
これにより、暖炉の使用を禁止、工場でも排煙を出すことを禁止するなどの対策が取られるようになりました。世界規模でSDGsの取り組みが進む現在、イギリスでは過去の教訓を生かし、国民の健康と環境の保護を目指す「大気浄化戦略」を公表するなど、さまざまな取り組みを積極的におこなっています。
ロンドンなど都市部では、現在も暖炉の使用が禁止されています。スモールキャビネットとして
石炭入れとして使用しなくなったコールボックスは、100年の時を経て、スモールキャビネットとして甦りました。
玄関に置いて小物やスリッパなどをざっくり収納したり、寝室に置いてナイトテーブルとして使用したり、その他リビング、キッチンなどあらゆるシーンで大活躍できるアイテムです。ショップなどでは、見せたくないストックもきれいに収納することができます。
補充するのも楽しくなりますよ♡コールボックスのラインナップは、ケントストアオンラインショップから「コールボックス」と検索!!
暖炉・暖炉まわりのアイテム
↑上の画像はケントストア東京目黒店の事務所になります。
マントルピース(暖炉)の内側には、レンガ風の壁紙シールを貼っています。↑上の画像は、左から送風機、ファイヤープレイスブラシ、トレイ&ブラッシュです。
マントルピースに合わせて、暖炉まわりの小物も展示するとさらに素敵な世界観を作り出すことができます。
アンティークのアイテムは、長い歳月を経て積み重ねられたアンティークならではの深い味わいと存在感があります。
ショップのディスプレイとして、撮影用としてなど幅広くご使用いただけます。【徹底解説】ヴィクトリアン様式 家具の特徴
キャビネットタイプのコールボックスが誕生したヴィクトリア時代。
ヴィクトリア女王の統治下(1837年~1901年)の建築物と家具のデザインを『ヴィクトリア(ヴィクトリアン)様式』といいます。
1837年、ヴィクトリアが18歳でハノーヴァー朝第6代女王に即位し、その後63年間大英帝国の女王としてイギリスを世界の強国に成長させました。
ヴィクトリア様式は過去の様式を復古させた折衷様式エクレクティックの時代です。【ヴィクトリア様式 家具の特徴】のついての詳しい内容は、こちらのブログ記事をご覧ください。
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