【徹底解説】ERCOL アーコールのクエーカーチェアとは?
イギリスの老舗家具メーカー アーコール(ERCOL)。 1920年、”ウィンザーチェア”の産地であるバッキンガムシャー地方のハイ・ウィカム(High Wycom・・・
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イギリスの老舗家具メーカー アーコール(ERCOL)。
1920年、”ウィンザーチェア”の産地であるバッキンガムシャー地方のハイ・ウィカム(High Wycombe)で創業しました。
創業者は、ルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)。
ルシアン・アーコラーニは、比較的安価なエルム材を使い、生産性向上のために、木を水蒸気で蒸し弓のように曲げる「曲げ木」の技術を採用し、ウィンザーチェアを機械化により大量生産する体制を確立しました。アーコール社の成功により、ルシアン・アーコラーニは「ハイ・ウィカムの恐るべき男」、自動車の生産体制を確立させたヘンリーフォードになぞられ「ウィンザーチェアのフォード」とまで呼ばれました。
シンプルで機能的、そしてタイムレスなデザインにこだわることで、創業から100年以上たった今でも、アーコールのデザインは、人気を博しています。
アーコール(ERCOL)は、耐久性のある品質、一生ものの家具を提供することに、重きを置いております。
そのため、ヴィンテージのアーコールも非常に価値のある家具、ビンテージ家具の代表格として絶大な人気を誇っています。アーコール(ERCOL)の作品は非常に多くありますが、今回は、アーコールを代表する椅子『クエーカーチェア Quaker chair』についてご紹介します。
クエーカーチェア(Quaker chair)とは?
クエーカーチェア(Quaker chair)は、アーコールの創業者”ルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)”によりデザインされました。
クエーカーチェアは、アーコールが「曲げ木」の技術で、ウィンザーチェアを大量生産することができた最初のデザインの椅子「4a Windsor Kitchen Chair(ウインザーキッチンチェア)」が進化したもので、「4a Windsor Kitchen Chair」の背もたれの部分を、高く、そしてシャープな形にデフォルメしたデザインになっています。
※「4a Windsor Kitchen Chair」については↓下記にご紹介しております♪
クエーカーチェアの特徴
①背もたれ
クエーカーチェアの最大の特徴は背もたれです。
単一の真っ直ぐな木材から、極限にまで曲げたU 字型の曲木。
アーコールの蒸気による曲木の技術が最大限に生かされています。
そして、座面から放射線状に、背もたれの棒(スティック・スピンドル・スポークとも呼ぶ)が施されています。
スポークの本数は、現行モデルは6本ですが、ヴィンテージのクエーカーチェアは、5本のスポークデザインの椅子が多くあります。②座面
クエーカーチェアの座面は、「oyster-shaped seat(オイスター シェプド シート)」と呼ばれる広い楕円の形をしています。
座り心地の良さを実現するために、座板をサドル形に削っています。③脚
イギリスで誕生した”ウインザーチェア”の特徴である、脚を座面に直接通したデザイン。
アーコールは、クエーカーチェアなどのウインザーチェアも、その伝統を受け継いでいます。
そして、座面に通した脚は、手作業で研磨することで、美しいラインを作っています。クエーカーチェアは、H型の貫が接合されており、シンプルですっきりとしたデザインでありながら、強度を高めています。
ブリュッセル万国博覧会出展 クエーカーアームチェア
クエーカーアームチェアは現在でも販売されているロングセラーのアイテムです。
第二次世界大戦後、はじめての大型博覧会が、1958年にベルギーのブリュッセルで開催されました。
(ブリュッセル万国博覧会:EXPO 1958 BRUSSELS)
その中の、「British Industry Pavilion (英国産業パビリオン)」で、アーコールのクエーカーアームチェアが優れたデザインとして選ばれ、展示されました。クエーカーチェアの原型「4a Windsor Kitchen Chair」フープバックチェア
アーコールが「曲げ木」の技術で、ウィンザーチェアを大量生産することができた最初のデザインの椅子「4a Windsor Kitchen Chair(ウインザーキッチンチェア)」。
ルシアン・アーコラーニがデザインし、1943年に発表されました。
いわば、現在のアーコール社の原点ともいえるチェアです。「4a Windsor Kitchen Chair」は、現在「フープバックチェア」という愛称で親しまれています。
現行モデルのフープバックチェアは、背面のスポークが6本ですが、ヴィンテージのフープバックチェアにはスポークが4本もしくは5本のチェアが多くあります。
また、座面は「oyster-shaped seat(オイスター シェプド シート)」と呼ばれる広い楕円の形と、ヴァイオリン形のフープバックチェアがあります。
ヴァイオリン形は非常に珍しく、ビンテージの中でも非常に希少なものになっています。ケントストアだからこそできる豊富な品揃え
ケントストアは、35年以上にわたり現地イギリスでアンティーク家具を買付しているため、現地のアンティークディーラーとも幅広いネットワークで繋がっております。
それゆえ、入手困難なヴィンテージのアーコールも種類豊富に数多く輸入することが可能です。今回ご紹介したクエーカーチェア、クエーカーアームチェア、フープバックチェアの他にも、ゴールドスミスチェア、エックスバックチェア、シスルバックチェアなどの椅子、バタフライテーブル、リフェクトリーテーブルなどのテーブル、サイドボードなど、数多くのアーコールのヴィンテージ家具を取り扱っております。
そして、英国より仕入れした家具は、家具産地の静岡にあるケントファクトリーで経験豊富な職人が自信を持って修理します。
家具業界からも認められているケントの修理技術。
必ず満足していただけると確信しております。
ぜひ、ケントストアのヴィンテージ アーコールをご覧いただければ幸いです♡【徹底解説】アーコールのバタフライテーブル(ドロップリーフテーブル)
ルシアン・アーコラーニが、1950年代後半にデザインした、アーコールを代表するテーブル『ドロップリーフテーブル(バタフライテーブル)Dropleaf Table』。
左右の天板に可変性があるため、さまざまなライフスタイルに合わせてお使いいただけるテーブルです。
バタフライテーブル(ドロップリーフテーブル)についての記事は、ぜひこちらをご覧ください。【徹底解説】アーコールのゴールドスミスチェアとは?
クエーカーチェアと同じく、アーコールでも人気があるゴールドスミスチェア(Goldsmith Chair)。
アイルランド出身の小説家・劇作家のオリバー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith:1730年-1774年)が所有していた椅子をモデルとしていることから、その名前が付けられています。
シンプルで美しいデザインはもちろん、身体にフィットする曲げ木の背もたれと座り心地の良さは、アーコールの技術力が詰まった逸品です。
ゴールドスミスチェアに関する詳しい内容は、こちらを↓ご覧ください。
ウィンザーチェアとアーコールの歴史、そして『ゴールドスミスチェア』についてご紹介しています。商品に関すること等、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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