【徹底解説】チューダー様式 建築物と家具の特徴
1455~1485年のイングランドの内乱「薔薇戦争」でリチャード3世を破って即位したヘンリー7世。そのヘンリー7世にはじまり、エリザベス1世により幕を下ろした『・・・
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1455~1485年のイングランドの内乱「薔薇戦争」でリチャード3世を破って即位したヘンリー7世。
そのヘンリー7世にはじまり、エリザベス1世により幕を下ろした『チューダー朝時代(1485年~1603年)』
イギリス絶対王政の全盛期であり、小さな国からヨーロッパの大国へと成長した時代でもありました。そのチューダー朝の時代に存在したデザインは、『チューダー様式』と呼ばれ、それまでのゴシック様式、イタリアのルネサンス様式の影響を受け、イギリス独自のスタイルで発展させていきました。
ここでは、『チューダー様式』の建築物と家具のデザインについてご紹介します。チューダー様式 建築物の特徴
チューダー・アーチ(Tudor arch)
ボウ・ウインドウ(Bow Window)
ボウ・ウインドウとは、同じサイズの窓を3面以上組み合わせて弓形に張り出させた出窓のことをいいます。
ボウ(bow)= 弓。
最も少ない面数は3つで、なだらかな弓状にするために、4面や6面にするのが一般的です。ハーフティンバー(Half Timber)
ハーフティンバーは、柱、梁(はり)、柱と柱の間に斜めに入れて補強する部材である筋交いなどの骨組を、数多く外観に露出させ、その間の壁面をレンガや漆喰などで埋めていく木造構造です。
表面に木材が半分ほど見えることから、ハーフ・ティンバーと名前が付けられました。
チューダー朝時代、一般の人々の間でこの構造の家が広がりました。ロンドンのピカデリーサーカス駅から徒歩5分ほどのところにあるリバティ百貨店は、ハーフティンバーの建築です。
中世にタイムスリップしたかのような気分になりますよ。チューダー様式 家具の特徴
薔薇模様 チューダーローズ
チューダー家の紋章「チューダーローズ」の彫刻が施されたデザイン。
30年続いた王権争いの内乱、薔薇戦争。
激闘の末、ランカスター家の一族であるチューダー家のヘンリー・チューダーが、ヨーク家のリチャード3世を倒し、チューダー朝を開いてヘンリー7世(Henry VII)として即位しました。
そして、ヨーク家のエリザベス・オブ・ヨーク(Elizabeth of York)と結婚することで両家の争いに終止符を打ったのです。
ランカスター家が赤い薔薇の紋章、ヨーク家が白い薔薇の紋章でしたが、それぞれの紋章を合わせてチューダー家の紋章としたのです。赤いバラと白いバラを合わせたチューダー王朝の紋章『チューダーローズ』は、現在のイギリスの国章にもつながています。
国章に描かれているライオンとユニコーンの下にある草の部分にはチューダーローズの花が咲いています。
チューダーローズは、水と火の結合、統一と平和を意味しています。リネンフォールド
ナプキンを折り重ねたような「ひだ状」の模様をリネンフォールドといいます。
家具だけでなく、壁面パネルにも使用されました。
波打つような美しい装飾は、木目の持ち味を存分に生かすことができるため、現代でも多く使われています。ケントストアが取り扱うチューダー様式の英国アンティーク家具
カクテルキャビネット
チューダーローズが施された1930年代のカクテルキャビネットです。
こちらのカクテルキャビネットはダイニングセットとして英国にて遺されてきた非常に希少性の高い逸品となっています。
上部扉を開けるとカクテルキャビネットと呼ばれる家具の最大の特徴とも言える背面にミラーが張られ、底面にはガラス張りとなっています。
底面のガラスにより、水物を扱っても木部にダメージを与えません。
下部の扉内部には数多くのボトルが収納可能となっていてカクテルキャビネットとしての機能面でもトップクラスの機能を誇ります。カクテルキャビネットの内部などの詳しい画像はこちらをご覧ください。↓↓
ブランケットボックス(チェスト)
1940年代 英国アンティーク家具のブランケットボックス。
寝室に掛布団や毛布の収納やお洋服の収納で使われていたものです。
側面には、リネンフォールドが施されています。ソファの前においてセンターテーブルとしてもお使いいただけます。
自分だけの宝物やおもちゃの収納、家族の思い出をしまったりできますね。ブランケットボックス(チェスト)の内部などの詳しい画像はこちらをご覧ください。↓↓
【簡単解説】チューダー朝 歴代の王と女王の生涯
室町幕府の後継者争いに端を発した1467年の「応仁の乱」から、1603年に徳川家康が江戸幕府を開くまでの戦国時代。
同時期、イギリスでは、王位継承争いに勝利したチューダー家による『チューダー朝』(1485年~1603年)の時代を迎えていました。
『チューダー朝』は、イギリス絶対王政の全盛期であり、小さな国からヨーロッパの大国へと成長した時代でもありました。
チューダー朝の誕生から終焉まで、歴代の王と女王の生涯についてのブログ記事はこちらをご覧ください。 分かりやすく簡潔にご紹介していますよ。イギリスの歴史を紐解く食の旅「チューダー朝ブレッド」
英国で人気を集め、TVや執筆でも活躍するパティシエ・ブーランジェ/ペストリー&ベイカーシェフのダン・レパード氏。
2023年6月11日、英国の食の文化史の研究家でもあるダン・レパード氏による『チューダー朝のパン』についてのワークショップ&セミナーが開催されました。
ハンプトンコート宮殿で食べられていたマンチェットをはじめ、当時のパンを再現。
イギリスでレストランなどのコンサルティングを請け負うダン氏がセレクトした小麦などの材料を使って、レストランやカフェ、ベーカリーを経営されているプロの方も、パンのバリエーションを増やすために非常に役立つ技術をご紹介してくださいました。イギリスの歴史を紐解く食の旅「チューダー朝ブレッド」のセミナーレポートはこちらのブログ記事をご覧ください。
ヘンリー8世による修道院解散から誕生した「ウォバーンアビー」
チューダー朝第2代のイングランド王「ヘンリー8世」
離婚と処刑を繰り返した、英国史上最もスキャンダルな国王として有名ですが、ヘンリー8世がおこなった改革の中に「修道院の解散」があります。
当時深刻な危機に陥っていた王室財政の解決策として「修道院解散」を断行しました。
修道院の土地を没収し、貴族、ジェントリー(地主階級)、商人に売却したのです。
『アフタヌーンティー発祥の地』ウォバーン・アビーは、イギリスでもトップクラスの大邸宅ですが、もとは修道院でした。
ヘンリー8世の「修道院解散」により、初代ベッドフォード伯爵 ジョン・ラッセル(John Russell 1485-1555)に譲渡され、修道院からの大規模な改修工事を行い、現在の姿に整えました。
ウォバーン・アビー(Woburn Abbey)『アフタヌーンティー発祥の地』についてはこちらのブログ記事をご覧ください。↓↓
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