【徹底解説】ERCOLアーコールのシスルバックチェアとは?
ヴィンテージ家具の代表格として絶大な人気を誇るアーコール社。 現行モデルにはない”オールドコロニアルシリーズ”の中に、通称『シスルバックチェア』といわれるウイン・・・
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ヴィンテージ家具の代表格として絶大な人気を誇るアーコール社。
現行モデルにはない”オールドコロニアルシリーズ”の中に、通称『シスルバックチェア』といわれるウインザーチェアがあります。
アーコールのカタログをみると、『シスルバックチェア』ではない、違う名称が!!
徹底解説します!アーコール(ERCOL)とは?
アーコール(ERCOL)は、1920年に”ウィンザーチェア”の産地であるバッキンガムシャー地方のハイ・ウィカム(High Wycombe)で創業しました。
ハイ・ウィカムのウィンザーチェアの生産量は、最盛期には一日に約4700脚の椅子が生産されていたそうです。
上の画像は、1880年、後に国王”エドワード7世”となるプリンス・オブ・ウェールズの訪問のために、ハイ・ウィカムのメインストリートに作られた椅子のアーチです。
その数400脚!ウィンザーチェアは、家庭用の椅子だけでなく集会場や教会など公共用の椅子としても多く使用され、生産量、品種を誇っていましたが、1880年代前後を最盛期として、次第に衰退していきます。
衰退した原因は、第一次世界大戦よる物資の不足と男子労働力の不足、さらに、世界各地で実用的、日用品的な木製椅子が生産され、イギリスの市場にも輸入されるようになったことなどが挙げられます。
そのような影響を受け、ウィンザーチェアの生産に携わる若年労働者が減り、高齢化のため閉鎖される工房も増えていきました。衰退していたハイ・ウィカムのウィンザーチェアを再起動させたのが、アーコール創業者のルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)です。
ルシアン・アーコラーニは、比較的安価なエルム材を使い、生産性向上のために、木を水蒸気で蒸し弓のように曲げる「曲げ木」の技術を採用し、ウィンザーチェアを機械化により大量生産する体制を確立しました。2000年代にはいり、イギリスのファッションデザイナー、マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)が、昔、自身が使っていたチェアを懐かしく思い、スタッキングチェアとバタフライチェアの復刻を実現したことで、アーコールの人気はさらに高まりました。
シンプルで機能的、そしてタイムレスなデザインにこだわることで、創業から100年以上たった今でも、アーコールのデザインは、人気を博しています。
また、アーコール(ERCOL)は、耐久性のある品質、一生ものの家具を提供することに、重きを置いております。
そのため、ヴィンテージのアーコールも非常に価値のある家具、ビンテージ家具の代表格として絶大な人気を誇っています。アーコール(ERCOL)の作品は非常に多くありますが、今回は、アーコールを代表する椅子『NO.375 Windsor Chair (シスルバックチェア)』についてご紹介します。
NO.375 Windsor Chair (シスルバックチェア)とは?
日本では、『シスルバックチェア』という名称で、広く知れ渡っているこちらのウインザーチェア。
アーコールの創業者”ルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)”によりデザインされました。①アヤメの紋章 フルール・ド・リス
1857年発行のアーコールのカタログをみると、『NO.375 Period Inspired Windsor Chair』と表記されています。
そして解説には、アヤメまたはアイリスの紋章「フルール・ド・リス(Fleur-de-lis)」をモチーフとしており、スパニッシュスタイルの繊細な背もたれで仕上げている、と記されています。「フルール・ド・リス Fleur-de-lis」とはフランス語で”アヤメの花”を意味し、フランス王家の紋章として使われています。
「フルール・ド・リス」は、中央が高くシメントリーな曲線、そのバランスが美しく完璧な様式とされ、ティファニーなど有名宝飾ブランドの人気コレクションにもなっています。②プリンス・オブ・ウェールズ羽根の紋章
1985年のカタログをみると、「NO.375 Windsor Featherback Chair」と記載されています。
これは、プリンス・オブ・ウェールズの羽根の紋章をモチーフにしていると言われています。
黄金のコロネット(小冠)と白い3枚のダチョウの羽根から構成されています。現在のイギリスでは、フルール・ド・リスよりプリンス・オブ・ウェールズの羽根の紋章がモチーフとなった椅子として浸透しており「Prince of Wales Dining chair」と呼ばれることが多いようです。
③スコットランドの国花 あざみの花
日本では、『NO.375 Windsor Chair 』は、シスルバックチェアとしう愛称で親しまれています。
それは、スコットランドの国花のアザミ(シスル Thistle)の花に似ていることから、シスルバックチェアという名前が広がりました。スコットランドでは、学校、制服、企業のロゴなど、アザミの紋章を至る所で見ることができます。
アザミがスコットランドの国花となったのは、戦争中、敵がアザミの棘にささりスコットランド内に侵攻できずスコットランドを守ってくれたからなど諸説あるようですが、「勝利の花」として称えられ象徴になっています。
スコットランドでの花言葉は「独立」「報復」「厳格」「恩恵」。
座っているだけで、守ってくれるような感じですね♪このように『NO.375 Windsor Chair 』のカタログ上の名称は、時代により変化しています。
また日本の『シスルバックチェア』のように、独自の愛称で親しまれているチェアでもあります。3本のスプラットに透かし彫りでデザインされたチェア。
現行のラインナップでは存在しない大変貴重な家具になっています。北欧スタイルが多いアーコール(ERCOL)のチェアの中でイギリスアンティークテイストを色濃く感じることの出来るチェアです。
ケントストアだからこそできる豊富な品揃え
ケントストアは、35年以上にわたり現地イギリスでアンティーク家具を買付しているため、現地のアンティークディーラーとも幅広いネットワークで繋がっております。
それゆえ、入手困難なヴィンテージのアーコールも種類豊富に数多く輸入することが可能です。今回ご紹介したシスルバックチェアの他にも、クエーカーチェア、フープバックチェア、ゴールドスミスチェア、エックスバックチェア、カウホーンチェアなどの椅子、バタフライテーブル、リフェクトリーテーブルなどのテーブル、サイドボードなど、数多くのアーコールのヴィンテージ家具を取り扱っております。
そして、英国より仕入れした家具は、家具産地の静岡にあるケントファクトリーで経験豊富な職人が自信を持って修理します。
家具業界からも認められているケントの修理技術。
必ず満足していただけると確信しております。
ぜひ、ケントストアのヴィンテージ アーコールをご覧いただければ幸いです♡【徹底解説】アーコールのクエーカーチェアとは?
クエーカーチェア(Quaker chair)は、アーコールの創業者”ルシアン・アーコラーニ(Lucian Randolph Ercolani:1888–1976)”によりデザインされました。 クエーカーチェアは、アーコールが「曲げ木」の技術で、ウィンザーチェアを大量生産することができた最初のデザインの椅子「4a Windsor Kitchen Chair(ウインザーキッチンチェア)」が進化したもので、「4a Windsor Kitchen Chair」の背もたれの部分を、高く、そしてシャープな形にデフォルメしたデザインになっています。
【徹底解説】アーコールのゴールドスミスチェアとは?
クエーカーチェアと同じく、アーコールでも人気があるゴールドスミスチェア(Goldsmith Chair)。
アイルランド出身の小説家・劇作家のオリバー・ゴールドスミス(Oliver Goldsmith:1730年-1774年)が所有していた椅子をモデルとしていることから、その名前が付けられています。
シンプルで美しいデザインはもちろん、身体にフィットする曲げ木の背もたれと座り心地の良さは、アーコールの技術力が詰まった逸品です。ゴールドスミスチェアに関する詳しい内容は、こちらを↓ご覧ください。
ウィンザーチェアとアーコールの歴史、そして『ゴールドスミスチェア』についてご紹介しています。商品に関すること等、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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