【プロの解説】アンティーク家具の猫脚とツイスト脚
実は猫ではない!? カブリオールレッグとは? S字の美しい曲線を描く家具の脚は 一般的に「猫足」と呼ばれていますが、正式には「カブリオールレッグ」という名称があ・・・
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実は猫ではない!? カブリオールレッグとは?
S字の美しい曲線を描く家具の脚は 一般的に「猫足」と呼ばれていますが、正式には「カブリオールレッグ」という名称があります。
語源はフランスの舞踏用語で使われる「飛び跳ねる」「弾む」といった意味の「Cabriole」が由来とされ、この「Cabriole」の語源はイタリア語の「Capriola」で、山羊が飛び跳ねることを意味します。猫ではなく山羊が由来だったんですね!
紀元前の古代エジプトは箱から始まる家具の原点とも言える地域で、猫と人間が暮らし始めた最初でもあり、由来も含めて猫足だと思っていました…ちなみに、部位の名称として、脚の付け根から足首までを「レッグ」と呼び、足先は「フット」と呼びます。
↑ シンプルでも美しいクイーンアンチェア
英国へは17世紀末にはデザインとして渡ってきていて、アン女王の時代であるクイーンアン様式を代表するデザインとなっています。
テーブルやチェアはもちろん、チェストやキャビネットなどの脚で使用されていますが、代表的な椅子がクイーンアンチェア(アン女王の椅子)と呼ばれるだけあって、その美しい曲線美の猫足は女性に大人気です。↑ ハアザミの一種、アカンサスの彫刻が特徴のコーヒーテーブル
脚の付け根には、アカンサスやシェルなどの彫刻をよく見かけます。
また、足先には龍(英国的にはドラゴン?)の爪が智恵の玉を掴んでいるクロウ&ボウルなど、様々なデザインの組み合わせで家具を際立たせます。飴がモチーフ!? ねじり脚の正式名称は?
↑ 背と、前脚を繋ぐストレッチャー(補強材)がとても美しいツイスト
17世紀中頃に、材料を加工する挽き物細工の技術が発達したことにより、この捻じり棒のようなデザインが生まれました。
正式な名称が「バーリーシュガーツイスト」で、由来は「ねじり飴」です!
飴からヒントを得た着眼点と、それを作り出す技術にはびっくりです!
英国アンティーク家具のデザインとして、イメージが湧きやすい代表格です。↑ 通常のターニング(挽き物)より存在感が際立ちます
大小のテーブルからチェアまで、脚のデザインとして有名ですが、大きなミラーバックサイドボードの左右にある柱(コラム)に使われたり、ドレッシングチェストの鏡を支える支柱に使われたり、脚と合わせて同じデザインで作られている家具が多いです。
捻じり具合にも、細身だったり太めだったり様々なツイストがあります。
捻じりの部分で色の濃淡も出るので、風合いも楽しみのひとつですね。
和室に置いても映えるデザインは、日本でも人気の高いデザインです。今後も特徴的なアンティークの脚をご紹介予定です!
ケントストアでは、人気の猫脚家具や捻じり脚のツイストレッグ商品も多数取り扱っています!
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